手順表(変化が苦手な子の対応5)
こんにちは。今日は手順表の活用についてお話しします。視覚情報を使った関わり方の説明が続いていますが、保育士や教員の頑張りがすぐに効果に出る良い対応ですので、ぜひ活用してください。それでは解説していきます。
なぜ手順表を使うべきなのか
手順表、つまり物事を進める上で行うべきことを順番に書いた表を使いましょうという話です。なぜ手順表を使うと良いのかについてお話しします。
専門用語を省いて説明しますが、ざっくり言えば大きく分けて2種類の人に分けることができます。順番に理解していくタイプと、パッと判断するタイプです。
順番に理解していくタイプの人は、一つ終わったら次はこれ、という覚え方をしているので決まった順番で行動することが得意です。
逆にパッと判断するタイプの人は、その時にひらめきで思いついて行動するので、毎回違った動きになりがちです。ただし、決まり切ったことをしない代わりにその瞬間における最善の策や細かい変化に気付く可能性があります。どちらが良いとか悪いというわけではありません。
もうお分かりだと思いますが、パッと判断するタイプの人の中には決まったことを決まった順序でやることがとても苦手な人がいます。
そういったパッと判断する毎回違う動きをしがちな子には、次は何をすれば良いのかが書かれた手順表を用意しておくことはとても効果的なのです。
手順表が有効なタイプとは
今説明したように、パッと判断するタイプに有効です。他には一つのことに集中しすぎてしまう子、指示を覚えておくのが苦手な子、視覚的に理解した方が覚えが良い子などにも有効です。
自閉スペクトラム傾向の子にも有効ですね。
手順表の具体的な使い方
それでは具体的な使い方、例を挙げて説明しましょう。
どうでしょうか。「すでにやっているよ」という内容もあるんじゃないかと思います。目新しいことじゃないですよね。もちろんわかっています。
実は今日一番言いたいことはこれではありません。
自閉スペクトラム傾向の子に「予定表を示す」とか「手順表を作っておく」と良いのは有名です。しかし、やってみても思ったほど効果が感じられないと思った人はいませんか?
基本的な配慮としてはそれで良いのですが、変化が苦手な子に変化しない生活環境だけを提供することは、変化に強くする教育にはなりません。
具体的に言えば、掃除はこの順番でやるよという手順を毎回示していても、手順表がないと動けないマニュアル人間を作ることになってしまうかもしれないのです。
もしくは手順表通りにならないとパニックになる、なんていう事態も想定されます。私たちが行いたいのはマニュアル人間を作ることではなく、変化に対応できる子を育てることですよね。
だから、こうしてみましょう。
生活の中で、予定の小さな変化が起こるという毎日に慣れていけば、それは「変化するという予定」です。つまり変化にならないので混乱しにくくなります。
園や学校での合理的配慮と呼ばれる対応はあくまで配慮です。育てる意識が薄い。もし対応を工夫することで良い変化が期待できる場合は、子どもたちが伸びる環境を作っていくことは悪いことではありません。
これが子ども一人ひとりに個別最適化された教育の一つの形です。
予定や手順を一定にするのが全ての子どもにとって最適な対応ではありません。園児の、児童生徒の状況に合わせて、絶えず工夫しながら対応を変えていくようにしましょう。
補足
変化が苦手な子にはまず安定した生活の流れが必要です。まずは手順表を用いるなど、理解しやすい生活環境を作りましょう。
一度安定したあとで、次のステップに行きたいなと思った時が複数パターン手順表の出番です。
現状維持が一番良い時と、次の成長を期待して変えていく時。それぞれのタイミングを見極めることが大切です。
今日の一言

教科書通りの対応から一歩進んだ対応ができる教育者になってみませんか?複数パターン手順表を使えると上級者です。
理解が深まれば子どもへの愛情が深まります。
それでは、またお会いしましょう。


