楽しみ方を教える(興味の幅が狭い子の対応6)
こんにちは。今日は楽しみ方を教えることについてお話しします。言葉で書けば当たり前のことですが、当たり前が一番難しいんです。おそらく、ちゃんとできている人はほとんどいないと思います。それでは解説していきましょう。
なぜ楽しみ方を教えることをするべきなのか
他人が何かに熱中しているのを見て、「何がそんなに楽しいのだろう?」と思ったことはありませんか?
誰でも一度や二度はあるんじゃないでしょうか。楽しさがわからないことを私たちはわざわざやろうとはしません。
「この本面白いから読んでみて」「この曲すごくいいよ」なんていうやりとりも、経験がある人多いですよね。
読んでみても面白さがわからなかったということもよくあります。人の好みや興味というものは全然違うのです。
さて、それが趣味なら問題ないわけですが、勉強に対して「何がそんなに面白いのだろう?」と子どもが思っていたとしたらどうでしょうか?「人と仲良くすることの何が良いの?」と本気で子どもが思っていたとしたら?
そうなんです。楽しさがわからないと、生きづらくなることがあるのです。学校生活や園生活が苦痛になる。学力が向上しないだけでなく、運動もそうですし、何よりコミュニケーションスキルが低下していきます。
これはここが面白いんだと本人が経験できれば、やってみようと思うことも増えてきます。まず、楽しいと感じてもらう。入口を広げるのです。楽しみ方を教えるということは、何が面白いのかを子どもたちに示していく対応方法のことなんです。
楽しみ方を教えることが有効なタイプとは
イメージすることが苦手、自閉スペクトラム傾向の子に有効です。消極的な子のように「やってみよう」という行動が少ない子にも有効な方法です。
楽しみ方を教えることの具体的なやり方
赤ちゃんの玩具は振ると音が鳴るとかスイッチを押すと動くなど、楽しみ方が単純です。ままごと遊び、戦いごっこ、おにごっこ、ドッチボール、読書 、言葉でコミュニケーション・・・・と年齢が上がってくると楽しみ方が複雑になっていきます。
高度な遊びは想像の世界で形のないものを楽しんだり、即時でなく時間差で楽しさを感じ取る必要が出てきます。形のないものに面白さを見いだせないとか、すぐに変化がないと楽しくない子がいます。 その遊びや学習の「どこが楽しいのか」を一緒にやってみせたり教えることが有効な場合があります。
具体的に紹介してみましょう。
ここまで読んで気づいた人がいるかもしれませんが、Youtubeなどのいわゆる「ゲーム実況」がこれと同じことをしています。もしくは「買い物オススメ動画」「本の要約動画」などもそうです。
つまり、楽しみ方についても誰かに教えてもらう時代になってしまっているのです。
教員も保育士も「楽しい」を教えられる教育者になっていく必要があるのかもしれません。
まずは大人が楽しむ姿を子どもたちに見せていく。いつも楽しそうな教育者でありたいものです。
教えるというイメージで関わると、一方的に伝えるようなやり方になりがちです。教員にせよ保育士にせよ、また親もそうですが、子どもに教えた後、子どもが理解できないときに子どものせいにしがちです。
「大人はちゃんと教えた。それを理解できないのは子どもの問題である」。そう考えてはいませんか?それは大きな間違いです。教え方を工夫していったほうがうまくいく場合が多いのです。
子どもを変えるにはまず自分が変わりましょう。
補足
どうすれば楽しさが伝わるのかについて2つ補足します。
まず、最も他人に楽しさが伝わる時というのは、「本当に楽しんでいる人を見た時」です。いやいや本を読んでいる大人を見ても子どもは本を読むことが好きになりませんが、読書が好きで好きでしょうがない大人と生活していると自然と子どもも本が好きになる傾向にあります。
もっと言えば、大人が楽しんでいるより同年齢の子どもが楽しんでいる方が、楽しさが伝わります。子どもが真似をしたくなる性質を利用するわけです。
もう一つは、楽しいと感じるところを丁寧に体験させていくことです。
例えば、パズルの楽しさを教えたい時に、いきなり何千ピースの難しいパズルを用意しても完成させるどころか、全然パーツを合わせることもできないでしょう。
小さいパーツを2つ合わせることができた!というところから一緒に喜ぶのが効果的だと思います。
「絵が繋がるのが楽しい」「見つけるのが楽しい」「だんだん完成形が見えてくるのが楽しい」「ピッタリはまった瞬間が楽しい」など、ポイントを子どもが感じられているかを確認しながら進めていくようにしましょう。
今日の一言

子どもに人気のコンテンツは教育の世界に輸入していきましょう。遊びも勉強も境目はありません。
理解が深まれば子どもへの愛情が深まります。
それでは、またお会いしましょう。


