迷惑行為の禁止(こだわりのある子の対応1)
こんにちは。今日は迷惑行為の禁止についてお話しします。今日からこだわりシリーズです。良い意味でも悪い意味でも使われる「こだわり」というものについて深く考えるきっかけにもなるんじゃないかと思います。それでは解説していきましょう。
なぜ迷惑行為の禁止をするべきなのか
良い意味でも悪い意味でも使われる「こだわり」。良い意味では「厳選した食材にこだわりました」など、そこに焦点を当てて他は使わないというニュアンスで使用されます。
逆に悪い意味では「こだわりが強いから」などと融通が効かないというニュアンスで使用されます。
教育の現場においてはその悪い意味で使われることが多いのですが、必ずしもこだわることが悪いことにはなりません。課題のクオリティにこだわった結果、とても良いものができたということもあるでしょう。勝ち負けにこだわった結果、練習に力を入れて上手になることもあります。
こだわりが悪い形で出ていると教員や保育士が感じる時というのは、「これでなければダメだと強く主張する」や「一位にならないと癇癪を起こす」のように、周囲に強い影響を与えているときです。
そこで、全てのこだわりを禁止するのではなく、良いこだわりと悪いこだわりを区別する。その足がかりとして、他人に迷惑をかけているこだわりだけ禁止するという考え方です。
禁止というと乱暴に聞こえますが、「こだわりは好きで持っているんじゃない。自分だってコントロールできないんだ」と思っている人の気持ちも考えてのやり方です。
「コントロールできなければ仕方がないので他人に害を与えて良い」という理屈は社会に出てから通用しません。例えば「電車やバスでは窓から景色を見たい」という強いこだわりがある子がそれをいつもいつも許されて大人になったらどうでしょうか。
景色が見れない状態になったら癇癪を起こす大人が出来上がります。そういう大人に対して社会は寛容ではありません。子どものうちに不適切な行動パターンを修正しておくことは人生を考える上でとても大切な支援であり教育だと考えてみましょう。
迷惑行為の禁止が有効なタイプとは
自閉スペクトラム傾向の子、他の子に対して不適切な行動を覚えてしまっている子に有効です。特に、自分ではコントロールできていない子に対して行うのが非常に効果的です。
迷惑行為の禁止の具体的なやり方
すべてのこだわりや不適切行動を禁止することは子どものストレスを増やし、結果やめられずに教員や保育士に叱られ、失敗体験を積ませることになります。
なぜ優先順位を決めるのか。
教員や保育士が常に目を光らせて気付いたときに注意することには限界があります。たくさん注意される子どもも傷つきますし、お互いに良いことはありません。
しかし、その子の行動によって他の子が遊びや学習機会を奪われている時は、教員や保育士はその子を注意したり止めたり叱ったりしなければ集団が機能しません。ここに不幸な連鎖が存在します。
そのため、最低限の他の子を守りつつ、不適切な行動やこだわり行動をしている子にも教育的に関われるやり方として最適なのは「優先順位を決めて一番上から対応する。それは他人に影響が大きいものから」という考え方になるわけです。
ストレス軽減だけでなく、教員や保育士側のストレス軽減の効果もあります。お互いにマイナスを発見する生活を続けては相手にマイナス感情を抱きやすいため、マイナスに目を向けるのは最低限にするほうが建設的です。
そして、うまくいった時は褒めるというプラスの関わりをこちらがすることにより、注意や叱るというマイナスの関わりが増えてしまうことに対抗します。マイナスよりプラスの関わりが多くなければ良好な関係を築くことはできません。
最後に具体的な場面を参考に挙げておきます。
これもケースバイケースですので、他の方法を合わせていろいろ試してみてください。
補足
周囲に迷惑をかけるから禁止しようという意味ではないことに注意してください。それはあなたより周囲の人間の方が大事だというメッセージになってしまいます。
先ほど電車の窓の景色を見たい大人の例を出しましたが、将来困らないように不適切なこだわりや行動を修正することで、その子自身の適応力をつけていくことが目的です。
ここは大きく異なりますので、絶対に理解しておいてほしいところです。
大事なことなので繰り返します。
自分でコントロールできない状態では、周囲が止めてあげることも優しさであり愛なんだということですね。
今日の一言

「こだわりだから許す」ことは、本当にその子のためになっているのか一度じっくり考えてみてください。違うと思ったら対応を変えましょう。
理解が深まれば子どもへの愛情が深まります。
それでは、またお会いしましょう。


