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真似させる(興味の幅が狭い子の対応4)

対応のヒント
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真似させる(興味の幅が狭い子の対応4)

こんにちは。今日は「真似させる」ことについてお話しします。当たり前のことだけど大切ということが続きますが、何事も「なぜ効果があるのか」を理解して行うと効果が全く違いますので、ぜひ理解を深めてください。それでは解説をしていきます。

 

なぜ真似させることをするべきなのか

やり方を言葉で説明しても理解しにく場合はいろんなところであると思います。実際に目の前で誰かにやってもらった方が、自分が行うときのイメージが持ちやすいわけです。

特に自閉スペクトラム傾向がある子は目で見て認識することが得意な場合が多く、また見たものをまねること(模倣)が得意というタイプの子も多くいます。

イメージがわきにくい、順序が分からないときは視覚情報を使うと良いという原則の応用です。

 

真似させることが有効なタイプとは

自閉スペクトラム傾向の子、イメージを持ちにくい子、真似をすることが得意なタイプの子に有効です。

また、運動が苦手な子は自分の体をどのように動かすかの把握や再現が苦手なので真似をさせることは有効です。

 

真似させることの具体的なやり方

具体的な例を見てみましょう。

 

体育や運動の時間に見本を見せてから練習を開始する
ノートに書くのと同じように板書することで真似しやすくする
歌唱や楽器演奏の前に実際にやってみせる
謝るのが苦手な子に実際に謝る方法をやって見せた後に実際に自分でやってもらう(ソーシャルスキルトレーニング)

 

どうでしょう。普段、無意識にやってることも多いんじゃないでしょうか。

 

その昔、技術職(いわゆる職人)は先輩や師匠の仕事を「見て学ぶ」「見て盗む」のが基本でした。師匠のやり方を見て、真似をして、そのうちに自分のものになっていく。それは何事においても、物事を好きになって上手になっていくための有効な方法の一つなのです。

 

真似することについて少し深く考えてみましょう。

見て学ぶことの良い点は「観察する力」が身に着くということです。「気付く力」とも言えます。観察することは思考や分析の基本です。気付くことがなければ必要な情報を取り入れることもできないし、何が重要な情報なのかを理解することもできません。

そして真似をする時には「見て」「頭の中で自分の動きをイメージして」「実際にイメージ通りに体を動かす」という順番に能力を発揮させるわけです。

真似させた方がやりやすいかなぐらいの理解で行っていた指導方法や説明方法も、よく考えてみれば様々な能力を鍛えることにつながっていることが分かります。

真似をする力と集団生活をうまくやる能力は繋がっています。観察するということは他人の様子や行動をよく見るということになります。言葉の指示を聞いて動く力も大切ですが、周囲を見て適切な行動を取っていく力も大切ですよね。

 

観察して人の真似をしていくことで集団の中で適切な行動を選択しやすくなります。

 

さて、うまく真似をしてもらうコツも話しておきます。

 

正しい行動をしている子をみんなの前で褒める等、見本をわかりやすく示すことがまず有効です。何が正しくて何が間違っているかを明確にしましょう。

35人の学級で毎回35人を褒めることは時間的にできません。わかりやすく正しい行動をしている子をみんなの前で褒めたり注目させることで、何が正しいかを一気に集団の中で浸透させていくのです。

 

また、教師や保育士が見本になることもありえます。もちろん保護者も見本になります。身近な大人でなくても、同年代の子でも良いですし、芸能人でもアニメのキャラクターでも構いません。

 

目指すべき姿、行動の見本が必要だということです。空手などの武道で型があるのもそうですし、茶道に手順があるのもそうです。

真似るということは、自分を持つめ直し、自分自身をコントローする力をつける最善で手軽な方法なのです。

 

補足

当然ですが、真似する能力は何に対しても発動します。真似して欲しくない行動も自然と真似してしまうわけです。

何を真似してしまうかは無意識な部分もあります。子どもにとっては危険なことやちょっと悪そうなことに魅力を感じやすく、あまり好ましい行動を獲得しないかもしれません。

例えば学校に通うようになって口が悪くなったり、意地悪な行動を覚えてしまったり。よくあることだと思います。

 

そこで何を経験させるかをある程度コントロールすることがコツになります。学校や園で、言葉使いを丁寧にさせるような指導を多くしておけば、間違った音葉使いを使う子が減ります。

 

一人ひとりに注意するのではなく、クラス全体の言葉使いを正しく使える子を増やすことの方が、好ましくない言葉使いの子を叱るより効果が高いのです。

クラスの環境だけでなく、テレビやYouTubeなどもそうです。何を見るか、どんな本を読むか。私たちは誰かの真似をして生きている。オリジナルと思っていても基本的には模倣する生き物なのです。

 

今日の一言

 

子どもが思わず真似したくなるような大人になりましょう。

 

理解が深まれば子どもへの愛情が深まります。

それでは、またお会いしましょう。

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