事前学習(変化が苦手な子の対応3)
こんにちは。今日は事前学習についてお話しします。事前学習というのは、新しい活動をすることが苦手な子に対し、実際の活動の前に行っておく学習のことです。予習とは少し違います。ゆっくり解説していきます。
なぜ事前学習をするべきなのか
経験をしたことがないことを初めて行う場合、私たちは過去に経験したことのある体験や知識を使って目の前の状況に合わせてカスタマイズして対応します。
新しい場面が苦手な子は、ここが弱いわけです。つまり、「経験」「知識」「状況に合わせてカスタマイズするスキル」のどこかが苦手なんです。
そこで、事前に「擬似体験」をしたり「知識」を入れたり「実際の場面に近い形でリハーサル」をすることで、その苦手さを補おうというものです。
その時に大切なのは「一つ前のスキルや情報」を学習しておくこと。料理をする前に包丁の使い方を知る。野球をする前にキャッチボールをする。生活やスポーツの世界では当たり前に思えることが、なぜか学習場面では疎かになっているような気がします。
事前学習が重要であることは理解していただけたでしょうか?誰もがぶっつけ本番で力を発揮する訳ではないんです。
事前学習が有効なタイプとは
新しい場面が苦手な子に特に有効です。新しい場所、新しくすること、新しい人など、環境の変化に弱い子に有効であると覚えておきましょう。
また、集団生活の経験が乏しいとか、授業を受けていない時期がある子にも有効です。経験の少ない子ですね。
自閉スペクトラム傾向の子にも有効です。
事前学習の具体的なやり方
先ほども説明したとおり、事前学習とは「実際の学習場面が楽しくなるように、理解が深まるように、その一つ前の段階の学習を行う」という学習のことです。
いくつか例を挙げてみます。
2年生の算数の授業を理解するためには1年生の算数の授業を理解していなければ深まらないのと同じです。
特に学習を積み上げていかないといけない教科(算数や数学、英語)は前の部分の理解をしていないとその後全部わからないということになりかねません。
国語も意外とそうです。漢字を読めなければ文章を読んでも理解ができないのは想像できると思いますが、実は読解力も積み重ねです。絵本、小1レベル、小2レベル・・・というふうに順序立てて読む力をつけていく必要があります。
絵本も○歳児にちょうど良い本というのがあります。4歳児や5歳児になってくれば絵本の物語や内容で選ぶことができますが、0から2歳児くらいまでは、理解できる限界の内容、文章量、使われる言葉などがあります。またどこかで絵本については語りたいと思います。
子どもは一人ひとりの理解力も違います。「○年生だから」という学年の大きなくくりではなく、その前段階が身についていないのではないかと考えましょう。
保育園や幼稚園では、やはり「○歳だから」という考えで対応するとうまくいかないことがあります。特に年齢が低いと個人差が大きいので大人の期待値に達しないことがよくあります。
本やネットに書いてある「○歳ならこれくらいできる」というのも目安ですので鵜呑みにしすぎないようにしましょう。参考程度に捉えておくほうが良いと思います。
話は戻りますが事前学習の内容のコツは、身近なものにすることです。すでに経験のあるもの、理解できるもの、イメージしやすいものを選びましょう。
例えば台風で近所の川が増水した話から入って、理科の水の流れの授業をするのはどうでしょう。
オリンピックの話も世界史や英語など外国語の話に入りやすいかもしれません。
補足
目の前の課題を解くためには順序立てて必要なスキルを育てていく視点が必要です。当たり前ですが、走るためには2本の足で直立できることが前提です。
今の課題に躓いているのであれば、それを解決するために身につけるべき一つ前のスキルは何か。これをイメージできるようになりましょう。
今日の一言

目の前の課題を解くことより、必要なスキルを身に付けさせる方が先です。
理解が深まれば子どもへの愛情が深まります。
それでは、またお会いしましょう。


