一緒に楽しむ(興味の幅が狭い子の対応3)
こんにちは。今日は一緒に楽しむことについてお話しします。当たり前なのに見落としている考え方ではないでしょうか。
教育をするという意識があると子どもをどうするかという視点になりがちですが、子どもと同じところまで大人が降りていく視点を持つことも大切です。それでは解説していきます。
なぜ一緒に楽しむことをするべきなのか
皆さんが趣味を始めたきっかけは何ですか?
ほとんどの場合、「誰かから誘われた」「誰かが楽しそうにしているのを見た」「誰かと一緒にやってるうちに自分も好きになった」「テレビやネットで紹介されていた」など他人とのつながりがきっかけになります。
自分が何に興味を持つかというのは、どういう文化や人や情報に触れてきたかで決まると言っても良いでしょう。
視野が広くない人は情報に触れる機会が減りますし、共感力が弱い人は誰かと楽しむという体験が減ります。その結果、一度獲得した興味があることだけを繰り返し行うことを好むようになったりします。
そこで、その物事や行動に興味を持っていなくても「楽しい」と本気で思っている人がそばにいるだけで、好きになりやすいという性質を流用し、興味の幅を広げるような対応が可能になってくのです。
一緒に楽しむことが有効なタイプとは
視野の狭い子、共感力が低い子、体験が乏しい子、興味が偏ってい子などに有効です。自閉スペクトラム傾向の子にも有効です。
一緒に楽しむことの具体的なやり方
子どもの興味がどうしても広がらないときには、深く考えずに教員や保育士が一緒に楽しんでしまいましょう。
例を挙げます。
その物事や行動に興味が出なくても、「楽しい」と本気で思っている人がそばにいるだけで、好きになっていくかもしれないということは先ほど説明しました。
最後のヒントで示した「笑い合う」が最も大切です。人が怖いとか人を信じられないと思っている人は無意識に他人を好意的に見ることはしませんし、最初から目を背けていたりします。
外の世界に安心感を持って、外の世界から目を背けないようにすることを狙うなら、やはり「笑い合う」ことで「あなたといると楽しいし、あなたに危害を加えませんよ」というメッセージを言葉ではなく態度で意識的に伝えていくことが必要だと思います。
また、大人が一緒に楽しむだけでなく、子どもたち同士が楽しむ環境を作っていくことが大切です。
一緒に楽しむ仲間がいるということが「所属の欲求」を満たし、外の世界に興味が広がるきっかけになるのです。行動の持続には、仲間がいるかどうかが関係するという研究結果があります。
部活とか居場所とか大事だというのはそういう意味合いもあるんですね。
一緒に楽しむ仲間ができるように子ども同士の関係を深めていくか、家族内で仲間を作るか、誰もいない場合は教員や保育士が仲間として機能するようにします。
学校内においては休み時間の遊び、体育、行事などに興味が持てるように一緒に楽しむ人を作っていくような学級運営をしましょう。
クラス全員が楽しいと思って行事に臨んでいるか。そういった視点で見てみると、教員がやれることはまだまだあることに気付かされます。
補足
「子どもに本を読んで欲しければ、親が本を読んでいる姿を見せなさい」
どこかで聞いたことはないですか?子どもというのは何を言うかではなく何を見せるかが大事です。大人が本を読むことが楽しいという姿を先に見せておくことで、子どもも本を読むことを楽しむようになる。
つまり、時間差で「一緒に楽しむ」の完成です。
一緒に行う時間がないとか、一緒に楽しもうとしても子どもが乗ってこないとか、よくありますよね。そう言う時は、まず大人だけで楽しむ姿をたくさん見せておきましょう。
もしかしたらその姿が無意識に子どもに影響を与えていくかもしれません。
楽しそうに掃除をするところを見せるとか、料理を楽しそうに作るのもおすすめです。家事が好きになるかもしれません。
学校や園でも子どもの前で大人が人生を楽しんでいる姿を見せていきましょう。
大人は最高!
そう思わせることができたら教育としては成功しているのかもしれませんね。
今日の一言

本気で大人側が楽しむことが必要です。冷めた目で子どもを見ないで、人生を楽しんでいる姿をどんどん見せていきましょう。
理解が深まれば子どもへの愛情が深まります。
それでは、またお会いしましょう。


