ブームを作る(興味の幅が狭い子の対応8)
こんにちは。今日はブームを作ることについてお話しします。教育の世界においてはどうしても大人が子どもをどうにかしようという思考になりがちです。
しかし学校や保育園など集団生活の中では子ども同士の関わりを変化させる方が費用対効果が圧倒的に高いです。
今回も集団への関わりによる個人の変化を狙うやり方の一つがこれです。それでは解説していきましょう。
なぜブームを作るべきなのか
私たちは無意識に周囲の影響を受けて生きています。保育にしても教育にしても子育てもそうだと思いますが、「子どもに何かを意図的に意識させて行動させる」ことを重視していませんか?
黒板を見てノートに書かせるとか、トラブルがあったときに先生の話をちゃんと聞かせるとか、例え話を出したらキリがないほどに、子どもに何かを意識させて行動させようとしています。
実は子どもに「興味関心やる気がある」ことを前提にした教育になっているのです。そうすると、やる気がない子にいくら話しても指導しても効果が出ないという評価になりがちです。つまり、子どものせいにする教育の構造として問題を捉えてしまう人が多いのです。
そうは言っても、大人が子どもに何かをする場合は上下の関係が基本的にあるので「強制力」「押し付け」の雰囲気が存在します。上手くハマれば良いですが、なかなか大人側の熱意が届かないことも多いものです。
しかし、子ども同士の影響力はどうでしょうか。押し付けはほとんどありません。例えばクラスで話題になっているアニメに対しては勝手に興味を持ち、勝手にその影響力が広がっていきます。
子どもの中のブームというのはすごい力を持っています。これを利用しない手はありません。利用というとイメージが悪いかもしれませんが、それで教育的効果が生まれて子どもたちに良い結果を与えることができるのであれば、積極的に狙っていきましょう。
ブームを作るのが有効なタイプとは
大人の指示に従わない子に対しては子どもの力を利用するので効果的です。情報に疎いとか経験が少ない子にも有効です。自閉スペクトラム傾向の子に対しても適応の仕方は難しいですが上手く使うと効果が高いやり方です。
ブームを作ることの具体的なやり方
教員や保育士が子どもに与えられる影響に比べ、子ども間での影響のほうが大きいものです。逆に大人の影響が大きすぎる学習環境は良いとは言えません。
今回のブームを作るというやり方は今の日本の教育に合っているのです。
それでは、やり方を説明します。
子どもに身に着けて欲しいスキルや鍛えたいことが含まれる遊びや言葉や行動を集団の中で流行らせます。ざっくり言えばこれで終わりです。例を挙げます。
教員や保育士が直接関わることだけが教育ではありません。子どもが成長する環境を作ることもまた教育です。大人が関わらない時間に子どもの集団の力を使って成長できる環境を作るのです。
ブームとは遊びや言葉だけではありません。
実はこういった学習環境もブームを作ることができます。そう言ったクラスにしたいという目標を教室に貼るだけでは作れません。
イメージ的にはスポーツチームを監督が方向付けていく感じでしょうか。監督は練習メニューや戦術を考える。上手く選手たちとコミュニケーションを取り、やる気にさせる。リーダーを選び、上手くみんなをまとめさせる。コーチの力も借り、1人では運営しない。
これは学校でも保育園でも、もしかしたら家庭でも通用する考え方かもしれません。あくまでも主役は子どもたちということですね。
どうすれば流行るのかをよく考えましょう。
良いところを見つけ合うクラスにしたければ、まずは教員や保育士がたくさん子どもを褒めます。良いところを見つけたら伝えるようにします。同時にマイナスの発言をしないようにします。
次に子どもが誰かの良いところを言っていたら、その行動を褒めます。できればみんなに聴こえるように褒めていくと効果が高いでしょう。だんだん連鎖していくようにクラスが変わってきます。
子どもの心に火をつけ、集団で流行らせるようにしましょう。
補足
流行っているものは逆にやりたくないという人が結構存在します。ブームになっているから絶対に見ないという人、いますよね。
子どもも同じです。これは「みんなと同じ」という状態に居心地が悪いと感じる子に多い特徴です。人と違うほうが安心するように育ってきているのです。
先ほどの例で「良いところを見つけ合うクラス」で説明します。おそらく自分から他の子の良いところを積極的に言うことはないでしょう。
そのため、先生から特別の指令を出します。「誰が誰の良いところを見つけていたかをカウントする係」に任命してみましょう。そうすれば周囲を観察し、自然とプラスの言葉かけを学ぶことになります。ちゃんと仲間として参加していることにもなる。特別な任務を与えられて嬉しいと思ってやる気も出るかもしれません。
これは一例です。どんな活動にだって参加のさせ方があります。これも教員や保育士の工夫次第なのです。
今日の一言

マーケティングの考えに近いかもしれませんね。どうすればこの商品が流行るのか。それと同じように考えましょう。
理解が深まれば子どもへの愛情が深まります。
それでは、またお会いしましょう。


