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ゴールの明確化(興味の幅が狭い子の対応1)

対応のヒント
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ゴールの明確化(興味の幅が狭い子の対応1)

こんにちは。今日はゴールの明確化についてお話しします。今回から「興味の幅が狭い子の対応」シリーズです。興味を広げていくことはやる気や集中力アップにつながります。

やる気をどうやって出すのか難しいと思われがちですが、興味があれば勝手にやる気が出るのでどんどん興味の幅を広げていきましょう。それでは解説していきます。

 

なぜゴールの明確化をするべきなのか

興味がなくてもやらなければいけないことってありますよね。その子にとって苦手な学習や運動がそうです。そういうときはゴールを明確に示しましょう。

マラソンでもゴールが見えていれば頑張れますが、どこまで走れば良いかわからなければ苦しいものです。終わりを示すことで、そこまで頑張れば良いという見通しを持たせます。

ゴールの明確化は興味が持ちにくい活動を子どもたちに頑張ってもらいたいときに最適な方法なのです。

 

ゴールの明確化が有効なタイプとは

興味の幅が狭いだけでなく、自分が興味のないことにやる気を出しにくい子に有効です。見通しを持てない子、自閉スペクトラム傾向の子にも有効です。

ゴールの明確化の具体的なやり方

活動の終わり(ゴール)を示すことで、そこまで頑張れば良いという見通しを持たせるのが基本のやり方です。

具体的な例を挙げましょう。

 

「小テストはこの時計で5のところまでです。」(終了時間をわかりやすく示す)
「これから3つのことを言います。」(話の構成を理解させることで、どこまで集中して聴けば良いか示す)
「雨が降ってきたら教室に戻りましょう」(雨が降っているという視覚と、雨に濡れるという触覚の両方で体感することでゴールを認識させる)
「本番まであと4日です。練習できるのはあと2回しかありません」(気持ちを本番に持っていくため残り回数を示す)
「汚れが全部なくなるまで雑巾で拭き取りましょう(見た目でゴールを設定)」
「(苦手な食べ物を)あと一口だけ食べてみよう(回数でゴールを設定し、成功しやすくする)」

 

基本的にはクラス全体に対する一斉指示を紹介していますが、最後の食べ物の指示のように個別の声かけも合わせて必要になる場合があります。

全体のゴールを示した上で、それではうまくゴールまで辿り着けない子に対して個別にカスタマイズした「その子に最適なレベルのもう一つのゴール」を示します。

例えばこうです。

 

他の人はプリント一枚の課題を行う時に、特別に一番最後の応用問題はやらずにその前までを課題とする(難易度で設定)
他の人は10回ずつ書くところを、特別に3回ずつ書くことを課題とする(量で設定)
他の人は5分で行う課題に対し、特別に10分の時間を与える(ゴールするまでの時間を確保)

 

こんな感じで、ゴール位置をずらすことで取り組ませやすくします。難易度調整、作業量の調整、時間の確保が基本となります。そしてできるようになってきたら徐々に他の人と同じ課題に戻していきます。

ゴールずらしに関しては緊急避難的なやり方で、その子は毎回みんなとゴールが違うようにしましょうというのは間違いです。

 

ポイントになるのは「全く違う課題をゴールに設定しない」ということです。あくまで興味を持ちにくくチャレンジしなくなりそうな子への支援と対応ですので、課題をすり替えることを安易に行うと、ますます元々の課題に取り組まなくなります。

 

人間は楽をする生き物です。楽な道だけ選ぶような育て方はやめましょう。困難にも知恵と工夫でチャレンジし、時には周囲の人間と協力し合いながら、時には戦略的撤退をしながら、最終的に乗り越えていくような子になっていくのが理想ですね。

そのために、まずはチャレンジする子にしていきましょうチャレンジするには「やってみたい」という興味関心が先に必要です。興味がない課題には取り組もうとなかなかしません。

大人もそうですね。釣りに全く興味がない人に「釣りに行こう」と言っても「ああ、じゃあ時間ができたら」ぐらいの反応ぐらいしか出てこないでしょう。行くわけがありません。

「実はこの間、良い釣り場を見つけまして、そこで釣れた魚を持っていくと美味しく料理してくれるお店も見つけたんですよ。ビールも美味しいし、どうですか?」と誘ったらどうでしょう?

ゴールは「釣り」ではなく「料理やビール」になりました。興味をどう抱かせるかの最も簡単な方法はゴールを設定し直すことなのです。

 

「やりましょう」「頑張ろう」を繰り返し伝えるのは教育ではありません。日本人は頑張ることで解決しようとしすぎです。

「ここまでやれば良い」「これで終わり」というゴールを明確化することで興味が薄い課題に取り組ませやすくしていきましょう。

 

補足

ゴールを明確に示しても難しい子には、行動の途中で励ましたり、褒めたり、促したりしたほうが良い場合があります。そばにいるだけでやれる子もいます。

あくまでゴールを示すことが基本だという話ですので、他の方法と組み合わせて対応していくと良いでしょう。

 

今日の一言

 

一斉指示のゴールと個別のゴールの二重設定を使いこなしましょう。

理解が深まれば子どもへの愛情が深まります。

それでは、またお会いしましょう。

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